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いのちの教室

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      本授業の根幹に触れて頂いた、
   全国、約4万人の子ども達から頂いた
    手紙の一例をご紹介いたします。


*手紙の掲載につきましては、学校側のご了解を頂いております。

 当法人の、いのちの授業の根幹である、『命は教えるものでは
 ない、伝えるものでもない、理解させようとするものでもない』 
 を気づかせて頂いた、子ども達からの手紙の一例をご覧くださ
 い。

 ・今まで、沢山の講義を受けてきましたが、今回の授業のよう 
 に、「一緒に授業を作っていく」という講義の内容は、初めてだ
 ったので、新鮮に思ったのと同時に、私たちは、この講義をた
 だ、受け身で聴くのではなく、一緒に皆で考えて、「参加」をし
 ていかなければならないのだなと思い、それほどまでに、命を
 学ぶという事は大切なことなのだと感じました。


 ・講師の方は最初、『命は教えるものではない、伝えるものでも
 ない、理解させようとするものでもない』と話した。私は「命
 の大切さ」について講演して頂くのだと思っていたので、どう
 いうことだろうと考えた。が、次の質問で分かった。「命は何
 故、大切にしなければならないのか?」と問いかけられた時、
 私は一つしかないものだからと思った。しかし、周りの同級生
 は「自分のものだから」、「神様にもらったものだから」と、違
 う言葉が次々と出てきた。命は大切ということは変わらないの
 に、・・・。もし、命は「一つしかないものだから大切」とだけ
 教えられていたら、どうだろう。私は納得いくが、中には疑問
 を持つ者もいるだろう。数学のように、答えは一つではないと
 いう事が命というものなのだと気づいた。

 ・今まで、何回かは今日のような話を聞いたことはありました。
 その中でも、今日の話は、自分としては今までの中で、一番し
 っかり聞くことができ、一番印象に残りました。お話を聞いて
 いる中で、「自分だったらどうしただろう」、「自分にそんなこと
 ができただろうか」など、しっかり自分に当てはめることがで
 きたからだと思います。

 ・私は今まで、「命というのは・・・」、「生きるということはこ
 ういう事だ」というような、話をしてくださる人の「意見」を
 聞くような授業しか受けたことがありませんでした。勿論、そ
 れが悪いことだとは思いません。他の人の考えに触れることも
 大切です。けれど、やっぱり、人の命、生きることについて、
​ 自分たちで考える授業というのは、とても新鮮でした。



平成30年4月1以降の子ども達からの手紙の詳細につきましては、「いのちの教室への思い」の欄でご覧下さい。


 

  
​  
いのちの授業




三つの学び


    ”命は、知識として教えるものではない”
          (知識から、知恵に)
 
   ”命は、言葉のみで伝えるものではない”

    (言葉のみから、心の触れ合いに)
 
   ”命は、頭で理解させるものではない”

     (理解から、自らの気付きに)

 
 
  三つの学びは、延べ約760校の教育機関で、いのちの授業を行い、8万人を超える子ども達からの授業の中で発せられた声、そして、4万通を超える子ども達からの手紙(”命の声”)から、私自身が気づかせて頂いた、心の宝物です。

 嘗て私も、いのちの授業を実践する時点で、私自身の命の思い、価値観を言葉で伝え、一方向的な伝え方で、命の大切さを理解させようとしておりました。勿論、良かれとの思いで語っておりました。しかし、その時大きな気づきを持つことになったのです。それは、子ども達は聞いていてくれてはいるものの、こちらの届けようとする思いを、自身の心の中に入れようとしていなかったということです。
 このことは子ども達からの手紙で読み取ることが出来ました。皆、異口同音に、「改めて命の大切さが分かった」という表現に終始した思いを書き記してきたのです。それぞれの心の思いが綴られていなかったのです。

 その時、子ども達の心の中の真の思いを知りたいと強く思いました。
私は、命に対して子ども達がどのような思いを持っているかを知ろうとして、「命ってなんだと思いますか?」、「命は、何故大切なのですか?」と問いかけてみました。子ども達から帰ってきた命への思いは、大人も気づけないほどの深い思いを伝えてきたのです。更に、それぞれが皆、違う思いだったのです。大切なことではあるけど、こちらの体験を通した思いや価値観を、命の思いを一律的に伝えようとしていた授業の実践を、変えなければならないことに気づかせて頂いた瞬間でした。
子ども達に対する新たな思いは、
 ・子ども達は、命に関しての深い思いを心に内在している存在である。
 ・子ども達は、それぞれの命への思いを受け止めて欲しいと切望している。
 ・子ども達は、皆違う思いを有している。
ということです。
 そして、私は次の事を心に刻みました。

 ・子ども達それぞれが有している、「命」への思いを受け止めること。
 ・子ども達が、「命」について自ら気づく場が必要であること。
 ・子ども達、自らが発信する場が必要であること。
の三つの思いと共に、子ども達と触れ合っていくというものです。

具体的にとった様式は、
 ・子ども達との対話を中心とする授業。
 ・子ども達が他の意見も聞きながら、自ら考える場を提供する授業。
 ・子ども達の心の中から、命の思いを引き出していく授業。
というもので、子ども達が自ら考え、気づき、発言し、さらに他の子ども達の意見にも触れ、自身の命への思いを深めていくというものです。

 その後、子ども達からの手紙の内容は、大きく変容し、様々な思いが綴られて来るようになり、中には、
『命を絶ちたいと思っていた。この授業を受けて、命への大切な思いを既に持っていた自分自身だという事に気づき、命への思いを強くしたので、頑張って生きていきます』
という、それぞれの状況下で死と向き合った手紙、そして、直接言葉で伝えて来た思いを加えると、全国の子ども達400人近くから死と向き合った、又、死と向き合っているという思いを頂いております。今でもこのような手紙、直接伝えてくる思いが増え続けています。
又、
『生きていて嫌だと思ったこと、辛いと思ったことは、数えきれないほどあります。だけど、それを乗り越えられたのは、自分が「今生きている」から、そして周りに支えてくれる人が一だけでもいたからだと、「いのちの授業」を受けた今、思える様になりました。与えられた命に感謝の思いを持つことが出来ました』
という手紙も数多く、頂いております。

 400人近い子ども達の命を救うきっかけを作れたことに、深い思いを持ちつつ、子ども達から頂いた、大切な”命の心”を、これからもしっかり持ちながら​、子ども達と触れ合って参ります。


 

いちの教室

NPO(特定非営利活動法人)いのちの教室

理事長 若尾久

 本活動は、持続可能な社会の実現を目指し、社会的責任活動の一環として、進めてきております。

又、本活動は、環境に関する事項についても、教育テーマとして取り入れております。

 子ども達からは、いのちの授業を実践していく中で、多くのことを学ばせて頂きました。このいのちの授業は、語り手としての思いや価値観を伝え、理解させようとするものではなく、子ども達自らが考え、発言し、気づくことで、子ども達の心の中に内在している、”命への思い”を引き出す授業であります。

 このいのちの授業は、子ども達からの学びから創出されたものです。右記の「いのちの授業」でお示しした様に、一方向的な語りではなく、子ども達が授業に都度、参画しながら、子ども達と共有していく授業であります。子ども達に言って聞かせたり、理解させようとするのではなく、子ども達の心の中から引き出す授業とすることで、子ども達が自ら考え、気付いた事を、自身の人生を豊かなものにする為に、行動に移していこうとする意識の醸成を創出しようとするものです。

​  令和6年12月に、『「心の窓」を開くいのちの授業』と題した書籍を文芸社より上梓致しました。子ども達の心に内在する、命の視点で見た、”生きる意味、生きる価値、生きる喜び、そして「いのちの授業」の在り方”を基軸に書き上げた書籍です。

 

 子ども達の心に内在する、多様な命への思い、心の発信についてご覧頂ければ幸いです。

<いのちの授業・講演・プレゼン2017.1~2018.3までの活動>

<2017.1~2018.2までの活動>
・茨城県     白鳥学園那珂市立瓜連中学校 2017.1.31
・奈良県     生駒市立大瀬中学校     2017.2.7
・茨城県     阿見町立君原小学校     2017.2.25
・神奈川県 横浜市立新井中学校     2017.3.1
・神奈川県 鎌倉市立深沢中学校     2017.3.13
・山梨県     北杜高校                    2017.3.21
・山梨県     美容専門学校                2017.5.6
・茨城県     つくば市立高山中学校    2017.6.24
・神奈川県 横浜市立永田台小学校    2017.7.3
・奈良県     生駒市立大瀬中学校     2017.7.7
・神奈川県 横浜市立永田台小学校    2017.7.11
・神奈川県 横浜市立永田台小学校    2017.8.17
・東京都     八王子市立第四中学校    2017.9.16

・山梨県 身延高校                     2017.9.27
・山梨県 身延高校                     2017.10.11
・大阪府 南港光小学校                   2017.10.13
・高知県 高知大学教育学部付属小学校  2017.10.16
・北海道 小樽市立望洋台中学校     2017.10.19
・山梨県 昭和町立押原中学校      2017.10.25
・東京都 八王子市立川口中学校     2017.12.9
・茨城県 つくば市立筑波小学校     2017.12.13
・東京都 板橋区立板橋第五中学校    2017.12.16
・山梨県 甲府昭和高校                   2018.1.9
・山梨県 昭和町西条小学校          2018.1.17
・東京都 杉並区立桃井第二小学校    2018.2.24
 

<いのちの授業・講演・プレゼン 2018.4~2019.3までの活動>

・山梨県 鳴沢村立鳴沢小学校             2018.7.19   
・長野県 松本市立筑摩野中学校       2018.7.31
・東京都 中野区立江古田小学校  一回目       2018.9.25
・東京都 中野区立江古田小学校  二回目       2018.9.25
・東京都 江東区立亀戸中学校PTA         2018.9.29
・東京都 港区立芝浦小学校   一回目        2018.10.15
・東京都 港区立芝浦小学校   二回目        2018.10.15
・愛知県 熱田区女性協議会研究協議大会          2018.10.23    ・山梨県 西桂町立西桂中学校PTA、教員      2018.10.31 
・山梨県 公立大学法人都留文科大学            2018.10.31
・愛知県 春日井市立高蔵寺中学校                     2018.11. 9  

・岐阜県 中津川市PTA連合会                 2018.11.10
・静岡県 静岡県立清水南高等学校   同中等部       2018.11.13
・山梨県 笛吹市  校長会                    2018.12.3
・ユネスコスクール全国大会    横浜市                2018.12.8
山梨県 中央市    校長会                            2019.1.7
・東京都 八王子市立上川口小学校  一回目              2019.1.26
・東京都 八王子市立上川口小学校  二回目              2019.1.26
・山梨県 甲府市(校長会)                2019.2.4
・山梨県 笛吹市(校長会)                                     2019.2.7
・静岡県 静岡市立玉川中学校                               2019.2.12
・山梨県 法務局   講演                                             2019.3.13
 (人権擁護委員連合会 男女参画委員会)     

​<いのちの授業・講演・プレゼン 2019.4~2020.3までの活動>

​・山梨県     笛吹市立一宮南小学校        2019.5.16

​・山梨県     中巨摩郡昭和町校長会        2019.5.21

山梨県     中央市立玉穂町 講演        2019.8.3

山梨県     中巨摩郡昭和町室押原小学校     2019.10.24

山梨県     甲府市校長会            2019.11.5

神奈川県 大和市立下福田中学校           2019.11.6

神奈川県 茅ケ崎市立今宿小学校           2019.11.15

茨城県     つくば市立手代木南小学校      2019.11.19

茨城県     小美玉市立玉里北小学校       2019.11.28

広島県     福山市立大学(ユネスコスクール講演)2019.11.30

大阪府     大阪市立北中島小学校(5年一組)     2019.12.18

大阪府     大阪市立北中島小学校(5年二組)     2019.12.18

大阪府     大阪市立北中島小学校(6年一組)     2019.12.19

大阪府     大阪市立北中島小学校(6年二組)     2019.12.19

・山梨県 北杜市立長坂中学校                            2019.12.23

・山梨県 甲斐市立竜王東小学校                      2019.12.24

・大阪府 大阪市立北中島小学校(3年)      2019.12.18

大阪府 大阪市立北中島小学校(4年)      2019.12.18

大阪府 大阪市立北中島小学校(5年一組)    2019.12.19

大阪府 大阪市立北中島小学校(5年二組)    2019.12.19

大阪府 大阪市立北中島小学校(教員講演)   2019.12.19

山梨県 青少年センター 講演            2020.1.31

​・山梨県  県立図書館 講演          2020.2.18

2020年4月以降につきましては<活動報告>の欄で、記事、写真とともにご覧ください。


  



<「いのちの授業」子ども達からの学び>シリーズ

令和2年7月17日
  *本日より、「いのちの授業」を実践する中で、私が気づかせて頂いた心の思いについて、シリーズで綴らせて頂こうと思います
   
   企業に在籍し、社会貢献の一環として立ち上げた「いのちの授業」は、早18年を経過しようとしております。8年ほど前に企業を退  
  職し、本活動を継続するためNPO法人を立ち上げ、現在に至っております。この間、「命のメッセンジャー」として全国の教育機関に
  出向き、数多くの体験と気づきを頂いて参りました。全国、延べ約700校に出向き、お会いした6千人を超える先生方、そして、授業に
  参加頂いた約8万人を超える子ども達。貴重な出会いを頂いた中で、私自身が人として成長させて頂くことが出来た数多くの体験、気づ
  きがございます。これらの体験、気づきを、私の心の中にとどめて置くだけでなく、多くの方々に触れて頂きたい。そんな思いで、シ
  リーズで綴らせて頂くことに致しました。上述致しました様に、『命は、人生を豊かなものにする知恵として触れて頂き、言葉の枠を超
  えた心で触れて頂き、そして、自ら気づいて頂く』授業として来たことから体験出来た内容であり、稀有な体験、気づきとして触れて
  頂ければ幸いです。

 
<NO1>  「忘れられない出来事」
   
   「先生、質問があります。人間はどうせ死ぬんでしょう。どうして死ぬ人間が、生きる意味、生きる価値があるのですか?」
  関東地域の小学校で、授業を始めようとした瞬間、一人の生徒が、こう質問をしてきたのです。授業を始めようとしていた私は、一体、何
  が起こったのか、戸惑いを隠せませんでした。間髪を入れず、もう一人の生徒が「僕も同じように思う」と発言してきたのです。二人は 
  なんと小学4年生の生徒なのです。小学4年生の児童が、生きる意味、生きる価値についてその意味を必死に知ろうとしているのです。それ
  も、生と死の狭間と向き合っているのです。その思いに打たれ、私は大きなショックを受けながらも、二人の生徒の思いに可能な限り応え
  ようと、授業の内容を一部変更し授業を行ったのです。質問した二人の生徒は、私の話を聞き逃さまいと真剣な顔つきで私の話を聞こうと
  している。気が付けば、他の生徒も聞き耳を立て聞こうとしている。緊張感溢れる時間が流れました。
 
   この地域は、先生方が、他校に出向き授業を聴講し合う活動を行っており、その中での授業でした。後ろで立って聞いておられる先生方
  も、何が起こったのかという表情をされていたのを今でも思い出します。他校の先生方が数多く聞いておられる中での出来事であり、私に
  とっても非常に緊張した時間帯となりました。授業の後、先生方への講演もさせて頂きました。無事終わったと思いつつ、帰宅しようとし
  た時、驚きの光景に出会う事となりました。質問された生徒さんが、私が学校の外に出るまで何回も何回も、「ありがとうございました」
  と言い続け、追いかけて来たのです。その場に触れた時、私は思いました。『”生きる意味、生きる価値、生きる力”にその生徒さんなり
  に、命の思いを通して触れることが出来た喜びを表してきたのかも知れない』と。この時の出来事は今でも私の目に焼き付いて離れないの
  です。

   私は、この出来事を通して大きな気づきを頂きました。小学生ではありますが、既に命の意味或いは生きる意味について、心の中で真剣
  に考えようとしている。そしてその意味を知ろうとしている。『子どもだから命については知らないだろう、多くの体験もないから、命に
  ついては何も考えていないだろう。気づいていないだろう。』多くの大人が、この様な受け止め方をしているのではないでしょうか。
  しかし、子ども達は低学年であっても、既に命への思いを持ち始めているのです。そして、それらの意味を知ろうとしているのです。
  命に対する探究心は、年齢に関係なく心の中に持ち続けているものであり、そこから気づいた思いは、自ら気づいたという事として、心の
  中に将来に渡って住み続け、その人の人生を豊かなものにして行くのだろうと思うのです。
 
   子ども達の幸せを考えた時、子ども達に対する私達大人の言動の持つ意味、重要さ、そして、その責任の重さを心から感じるのです。 
  状況は違いますが、このような思いを持つ体験は全国の他の地域でも、何回か触れさせて頂いております。
 
   私たち大人は、教育に関係する方々を含め、子ども達が命に関しては大人同様の、或いはそれ以上の関心、感性を有している存在だとい
  う事に気づき、子ども達に対する既成概念を捨てて行くことが求められているように思います。誤解を恐れずに申し上げますと、寧ろ、子
  ども達から学ぶという姿勢が求められているように思うのです。今まで持っていた認識や視点を見直すことに、躊躇することのない心の在
  り方が、画一性を要求される今の社会環境の中で強く求められているように思うのです。
  
  この日の出来事は、生涯で忘れられない思い出の一つとなりました。  


​ 次号に続く


令和2年7月22日
 
 
<NO2> 子ども社会は大人社会の写し鏡

   現在、教育現場含め、様々な場でいじめが増加する中で児童が不登校となり、自ら命を絶ち続ける状況が続いております。文部科学省が
  令和6年10月31日に発表した、「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査
結果について」では、小・
  中・高及び特別支援学校に於けるいじめ件数は732,568件で、前年度より50,620件増え、又、児童生
徒1,000人当たりの認知件数は約58件、
  前年度の約53件と比較し増加傾向を示し、397人(小・中・高等学校から報告のあった児童生徒数)の児童が自ら命を絶っていることが発
  表
されております。又、令和7年3月28日に発表された『令和6年中における自殺の状況:厚生労働省自殺対策推進室、警察庁生活安全
  局生活安全企画課』によると、小、中、高生の自殺者は529人となり、前年度より16人増加した。これは、児童の命が毎日一人以上、
  失われていることを示しております。多くの児童が様々な状況下で苦しみ、悩
み、そして命と向き合っている状況が見えて来るのです。

   教育現場は勿論、大人社会は子ども達の様々な苦しみ、悩み、辛さを真摯に受け止め、高い意識を持って、その思いに応える存在である
  ことを願わざるを得ません。今の社会に目を向けてみますと、多くの課題が見えて来るように思います。自然環境破
壊、紛争、殺戮行為、
  自殺、貧困、差別、等々、生命の軽視に繋がる社会的事象に、日々の生活の中で触れない日がないように
思います。この様な中で、私たち
  大人が心して置きたいことは、これらの課題は、大人社会の中に留まるだけでなく、子ども
達の心の中に多大な影響を及ぼしているという
  事です。言い換えますと、”子ども社会は大人社会の写し鏡”だということです。


   元々純粋無垢な子ども達が大人社会の影響を受け、心病む日々を送り始めるのです。子ども達は、誰もが幸せで充実した人生
  を送りたい、生きていること、そのこと自体を幸せと思いたい、そして、それが実現する社会であって欲しいと、心から願い、
  或いは必死になって実現するための行動を起こすことを、社会の様々な場面で感じるのです。しかし、社会の壁は厚く、時に 
  は子ども達の心からの願いを、跳ね返してしまう状況が起きて来ます。心からの願い、或いは必死の行動にも拘らず、状況がよ
  り良い方向に変化せず、そのことを心ならずも受け止めざるを得ない立場に置かれた子ども達は、自身の思いに反して、自己逃
  避の意識を宿し、もがきながらも自身が置かれた状況に、自らを合わせざるを得ない思いを形成していくのだと感じます。

   子ども達の非を責める前に、本来純粋無垢な子ども達の心を歪めてしまう、多くの課題を抱えた大人社会の在り方を、私たち
  大人は心から反省しなければならないと思うのです。誤解を恐れずに表現させて頂けば、私は次のような捉え方をさせて頂いて
  おります。非社会的な行為を行う子ども達が、現在いることは否定できません。しかし、これらの子ども達も本来純粋無垢な存
  在なのです。これらの子ども達は社会の中で、本来の自分を忘れてしまう状況に置かれることがあることで、自意識を自身の心
  の中に閉じ込めてしまい、時には、非行に走る状況が発生するのだと、私は受け止めております。
  
   この事に気付けば、子ども達とどのように触れ合うことが求められているか、自然と心の中に浮かんで来る様に思います。前
  号、「忘れられない出来事」でお示しした様に、子ども達を幼い存在だと捉えるのではなく、子ども達は既に命を含め、多くの
  事に大人が想像する以上の思いを持っております。それだからこそ、子ども達が本来持っている純粋無垢な思いを、心の中から
  引き出して上げること、自ら気付かせてあげる場を大人が提供する事。まず、この環境づくりが優先されなければならないと、
  私は強く思うのです。 本来純粋無垢な子ども達の幸せの為に。
  
   以上のことに付きましては、全国4万人の子ども達からの手紙、そして授業の中での子ども達からの直接的な投げ掛けを通し
  て、私が気づかせて頂いた心の宝物であります。


  次号に続く
 
 

令和2年9月20日​
 
<NO3> 辛さが笑顔に

   九州地方で授業を行った時の事です。伺った学校は何回か授業をさせて頂いていた小学校です。元気な子ども達の笑顔に、毎回触れな
  がら話をさせて頂いておりました。何回かお伺いした中で、授業に一筋の光を届けて頂いた出来事がありました。その日は、4年生の授業
  でした。会場に入った瞬間、子ども達の礼儀正しさと穏やかな表情に触れ、今日も頑張ろうと授業を進めて行きました。子ども達と、何時
  ものように対話を織り交ぜながら、子ども達の心の中から命への大事な思いを引き出して行く形で進めて行きました。授業が終わり、片づ
  けをしていた時です。一人の女性徒が私の方にやってきました。表情を見ると、優しい笑顔を浮かべていました。授業への御礼の思いを伝
  えに来たのかなと、私は一瞬思いました。どんなことを言ってくれるのか、そんな思いで生徒の方を向いて待っていました。

   私のところまで来て、その生徒さんが、「今日は、いのちの授業、有難うございました」と、話しかけてきました。私が、”ああ、お礼
  の言葉なのだな”、と受け止め、「こちらこそ、しっかり聞いて頂いて有難う」と返事をしたそのすぐ後、生徒さんからこんな言葉が出て
  来たのです。満面の笑みを浮かべながら、こう言ってきたのです。「先生、私は重い心臓の病気を持っています。何時も、どうして自分が
  こんな病気を持ってしまったのか、という思いでいました。辛い思いをしていました。だけど、今日の授業を受けて、辛い中でも、一筋の
  光を見つけることが出来、それを生きる力にして行く命の力を、私も持っていることが分かりました。これから私は、頑張って生きていき
  ます。ありがとうございました」と。私は、その生徒さんに心からお礼を言いたいと思った瞬間でもありました。

   ”生きる意味、生きる価値、生きる力”を根底に置き、命への多様な視点に気づいて貰い、教え伝えるのではなく、心の中から引き出す授
  業として来た事に間違いはなかったと、その時、確信を持たせて頂いたのです。

   遠方の学校で頂いた一筋の光でありますが、私にとっては、私自身の人生に、又、「いのちの授業」の根底に限りなく大きな可能性、希
  望、そして勇気を頂いた光でした。この出来事は、これからの「いのちの授業」の根幹に深く根付いて行くことは間違いありません。心の
  中に内在している命への大事な思いに、そして、自分自身の素晴らしさに、子ども達が気づいていく場を提供出来ることに思いを寄せなが
  ら、「いのちの授業」を、これからも力強く継続して参り度いと思います。


  次号に続く



令和2年12月24日
 
<NO4> 驚きの瞬間

  関東地域の小学校での出来事です。
   当日は6年生の授業でした。校長室に向かい、ご挨拶をさせて頂きました。この時、校長先生から、「若尾さん、6年生は若干問題があ
  る学年なんです。少しばかり覚悟をしておいてください」とお話を頂きました。私はこの時、校長先生が何をおっしゃっているのか全く理
  解できませんでした。ご挨拶を済ませ会場に向かうと、ほとんどの子ども達がおしゃべりをしている様子が見えてきました。授業が始まれ
  ば静かになるだろうと思いながら、自己紹介をし、授業を始めました。
 
   何と、おしゃべりは止むどころか、益々ひどくなっていきました。私は意を決して、子ども達の心の中から命への思いを引き出す授業
  を、いつもより力を込めて進めていきました。30分ほどたった時、次第におしゃべりが少なくなっていきました。私はすかさず、子ども
  達の中に入りマイクを向け、対話をより多く行っていきました。一番おしゃべりをしていた生徒にマイクを向けた時です。私の手からマイ
  クを取り、歌を歌い出したのです。私は、さすがに心の動揺を隠せませんでした。そんなこともありながらも、30分を過ぎたころから全
  体のおしゃべりはなくなっていました。子ども達との対話の形が、受け止められたことを感じた瞬間でもありました。

   授業を終わり、先生方とご挨拶をしていた時です。一人の生徒が、こちらに向かって来たのです。先生方と、その生徒に目を向けた時で
  す。突然、「先生、ありがとうございました」と、挨拶をしてきたのです。よく見ると、その生徒は、授業中マイクを握り、歌を歌い出し
  た生徒だったのです。先生方も、一瞬何が起こったのかという表情で、その生徒を見ていたことを思い出します。私たちは、驚きの瞬間を
  体験したのです。

   私はこの体験から大きな気づきを頂きました。どのような振る舞いをする子ども達でも、既に心の中に命への強い関心を持っているこ
  と、そればかりでなく、その思いに触れて欲しいと思っていること、そして、命の意味に自分なりに近づこうとしていることを。更に、子
  ども達の思いに寄り添える形は、語り手としての思いや価値観を主体とした授業ではなく、子ども達の命への思いの多様性と深淵性を受け
  止め、心の中から命への思いを引き出す授業であること、そして、このことを具現化する授業は、子ども達が自ら考え、自ら気づき、そし
  て、自ら発言する場を提供する授業であること、又、対話形式での授業であることを、改めて確信したのです。

   驚きの体験と、大切な気づきを頂いた生徒に、心から感謝しています。


  次号に続く




令和4年6月12日
 
<NO5> いじめの根底にある子ども達の心の姿

   以前から、あまりに多い、いじめ、不登校の発生状況に衝撃を受け、子ども達と直接向き合いながら子ども達に寄り添い、そして、子ど
  も達の心の中から、それぞれの思いを引き出すことの必要性を強く感じたことで、基本授業「いのちの授業」以外に、いじめを抑制するこ
  とを目的とした、「特別授業」を数年前から実施しております。
   この授業は、全員参加の活動の場となります。グループに分かれ、子ども達に幾つかの作業を行ってもらいます。その結果を発表しあう
  プロセスを通して、相互に自他の言動に対する気付きを共有する場とするものです。授業の全プロセスで、子ども達がどう振る舞い、どの
  ような発言をするのか、そして、どのような気付きを持つのかを、教員の方々を含め、子ども達と相互に共有する授業です。特に、全国で
  増加傾向にある、いじめを一つの対象としています。この授業は、特別授業ということもあり、今まで、延べ10校、60グループで実施
  してきた授業です。

   思わず言ってしまった、悪いと思った言葉、もう一つは、友達から言われて悲しかった言葉、これらをボードに書いてもらいます。子ど
  も達は、グループごとに書き始めます。この時です。私は大きな衝撃を受けたのです。子ども達が書きだす言葉は、いじめにつながると受
  け止められる言葉にもかかわらず、ワイワイガヤガヤと、面白おかしくしゃべりながら書き出していくのです。子ども達は、こんな受け止
  め方をしているのかと、私は驚きを隠せませんでした。この状況に触れた担任は、「あなたたち、どうして面白がって書いているの、真剣
  に書きなさい」と叱りだすのです。この状況はすべての学校で見られた姿です。
   
   すべてのグループが書き終えたことを確認し、私は、子どもたちに話しかけます。「全グループ書き終えたようです。それでは、これか
  らグループごとに発表してもらいます。今書いた言葉をすべて読み上げてください」子ども達には前に来てもらい、書き出した言葉をそれ
  ぞれ読み上げてもらいます。書き出された言葉は、読むに堪えない言葉ばかりです。
   子ども達の発表を見ていた時、わずかな表現の変化に気付きました。目の表情を曇らせながら、読み上げていく子ども達が出てきたので
  す。あれほど面白がって書き上げていた子ども達。自らその言葉を読み上げることで、自責の念を持ち始めたのです。”どうして、こんな
  ことを言ってしまったのか”、そんな思いが伝わってくるのです。子ども達にとっては、悪気がなく、思わず言ってしまった言葉であり、 
  日常茶飯事に校内で飛び交っている言葉なのです。


   一つのグループの発表が終わったとき、子ども達に、どんな思いを持ったのか聞いてみました。「今のグループの発表を聞いて、どう思
  いましたか?」子ども達は顔を曇らせながら答えてきました。「他のグループの発表を聞いていたら、いやな言葉ばかりで、気持ちが悪く
  なりました」、「自分たちが言っていた言葉がどんなに悪い言葉なのか、今、はじめて気づきました」、「こんな言葉をいつも言っていた
  のかと思うと、相手にすまないと思った」客観的に自分たちが言っている言葉に触れたことで、子ども達は、普段、何気なく発している言
  葉の重みに気付き始めます。言葉の持つ意味と、その影響をしっかり考えることが大切だと、気づき始めるのです。

   子ども達が書き終わったとき、一人の生徒が私のところに来て、信じられないような言葉を発したのです。「私は、相手にどんな言葉を
  言われても気にはならないよ」と。他の学校でも同様な生徒が出てきました。言われて悲しかったという思いを言葉にする子ども達がいる
  中で、何の思いも持たないと、はばからない子ども達がいたのです。このような子ども達の心の中では、自分自身が、いじめにあう対象と
  思いたくないし、また、思われたくもないという意識が働いているように思います。視点を変えれば、いじめとかかわりのない自己を作り
  上げることで、自分の心が自閉しないように、自己逃避する意識が働いているのではないかと想像させるような発言と、見ることができる
  ように思うのです。


   延べ10校実施した全てで、次のような言葉が書き出されています。書き出された言葉の一部です。
  「ばか、殺すよ、うるせえ、まぬけ、消えろ、お前明日死ぬ、この世にいらない…」見るに堪えない言葉が並びます。1グループ6人で、
  多い時は30件くらいの言葉が並ぶのです。学校全体として、どれほどの数になるか背筋が寒くなる思いです。これでは言われた子ども達
  は傷つき、自分という存在を自ら否定してしまうことも起きてくるように思います。言ってしまった悪い言葉が、言われて悲しかった言葉
  より、はるかに少ないという事実も見えてきました。言われた言葉には傷つくことがあっても、自分が発した言葉が、相手の心を傷つけて 
  いることに気付いていないという、多くの実態が見えてきたのです。すべての学校で見られた事象です。この事実に触れ、多くの子ども達
  が、苦しみ、悩み、最悪は、自ら命を絶つという状況が生まれてきてしまうことに、思いを馳せざるを得ません。

   「特別授業」を通して子ども達は、客観的に言葉の持つ重みと触れ合う場に接することで、自分たちが言ってしまった様々な言葉と触れ
  合い、言葉の卑劣さに気付いていきます。悪いとは思わない、何にも感じないという心から、言葉の重み、言葉の力に気付き、自身の心
  の在り方、そして言葉の選び方の大切さに気付き、素直な心に変容していくことを、子ども達から学ぶことができた出来事でした。

   子ども達との信頼関係を築きながら、子ども達の心の中から、内在している素直な思いを引き出す授業である、「特別授業」が果たす
  役割を強く感じています。


  次号に続く



令和5年1月27日
 
<NO6> 自ら気づく命の大切さ

   甲信越地域の小学校で「いのちの授業」を行ったときの出来事です。
   学校に出向き、校長先生と名刺交換をさせて頂いた後、学校のご様子など、お話を聞かせて頂きました。校長先生からは、この地域の教
  育活動について、詳しいお話があり、その活動の実践に触れさせて頂きました。校長室には、模造紙2枚分に市の教育方針及び、その実践
  テーマが記載され、壁に掲載されておりました。地域の学校全てが、この方針、テーマを共有し、積極的に実践しているとのことでした。

   今回、伺った学校は、コミュニティスクールに認定されており、保護者や地域住民などから構成される学校運営協議会を設け、保護者、
  地域の皆さんの意見を学校運営に反映させているとのことでした。また、同時に、地域の皆さんと生徒さん方が直接触れ合い、学校では学
  べない多くのことに触れ、社会的意識の向上につながっていると、お話を頂きました。 

   この地域からは、毎年「いのちの授業」のご要請を頂いており、子ども達の豊かな心の醸成に取り組む姿勢に、触れさせて頂いておりま
  した。

   授業の時間が迫り、生徒さん方が待っている教室に向かいました。4年生の授業です。いつものように自己紹介をし、授業を始めまし
  た。生徒さん方が真剣に、話に耳を傾けてくれていました。しばらくして、私にある思いが出てきました。

   当法人が進めている「いのちの授業」は、語り手として、一方向的に教え、伝え、理解させようとするのではなく、生徒さん方が自ら考
  え、気づき、発言する場としております。この中で、それぞれが命への大事な思いを既に心の中に持っていること、また、お互いに発言し 
  合うことで、命への捉え方が皆違うことに気づき、それぞれが尊重し合うと共に、既に命への大事な思いを心に有している自身に触れるこ
  とで、本来の自分への自己肯定感を持って頂く授業としてきております。

   命について触れるときは、まず自身の心に内包する大切な思いに触れて欲しい。初めから命を教えて欲しいと、語り手の話に触れるので
  はなく、その前に、自身の命への思いに気づく場に触れて欲しい。その上で、他の生徒さん、また大人の話に触れることが大切だというこ
  とに思いを込めた授業としてきております。このことは、既に授業を実践してきた、全国延べ700校の生徒さん方から、私が学び、気
  づかせて頂いた心の宝物なのです。

   私は、授業の中で、この素晴らしい豊かな心の醸成教育を実践している地域の学校の生徒さん方は、命についてどのような思いを持って
  いるか、授業を始めてしばらくして、聞こうと思いついたのです。

   そこで、こんな質問を敢えて、してみました。
    「皆さん、皆さんは命のことを教えて欲しいと思っていますか? そう思っている人は手を挙げてください」
  すると、一人だけ手を挙げ、なんと、その他の生徒さんは、だれも手を挙げてこなかったのです。
   
   この後、生徒さん方に多くの質問を投げかけましたが、たくさんの生徒さん方が、それぞれの命への思いをしっかり発言してきたので
  す。そして、”自分たちの命への思いを聞いて欲しい、そして、自分自身で命について考え、気づいていきたい。その上で、この授業で触
  れたことを心に留め、命への思いを深めていきたい”、そんな生徒さん方の気持ちを感じ取れる姿、発言が続いたのです。

   私はこの学校の生徒さん方から大きな確信を持たせて頂きました。”命は知識として教えるものではなく、言葉のみで伝えるものでもな
  く、頭で理解させようとするものでもない。まして、どのように大事な命への思いであっても、結果として語り手の押し付けとなるような​
  授業であってはいけない”、としてきた、この授業の在り方に確信を持たせて頂いたのです。

   この学校の生徒さん方、そして教職員の方々に、心から感謝させて頂く場となりました。
  ありがとうございました。

   4年生でも、上記のような命の捉えた方をしていることに触れ、恐らく、全国の多くの生徒さん方が、命は、まず自分自身で考え、心に
  内包している自身の命への思いに触れたい、気づきたい、その上で友達や大人の思いに触れて、心の在り方を深めていきたい。そう、心の
  中では思っていることを、改めて強く感じさせて頂いたのです。

   「いのちの授業」を進める中で、最も感謝の気持ちを持たせて頂いた学校の一つとなりました。改めて学校側には、心から感謝申し上げ
  たいと思います。




  次号に続く



  令和5年3月10日
 <NO7> 心の手紙

  関東甲信越の小学校で、『皆さんはそれぞれが心の目を持っています。私たちにとって一番大事なことは、心の目でしか見えない』と
 いう思いを語った授業を行った時のことです。授業の数日後に、ご担任の先生から次のような手紙を頂きました。 
 (ご担任の先生からは掲載につきまして、ご了解を頂いております) 


 
 『心に染みる、あたたかい授業をありがとうございました。「心の目」は私たち教師にとっても忘れてはならない視点だと、深く
 考えさせられました。とかく、子どもの問題ばかりに目がいってしまい、「あれができない」「これが困る」と嘆いたり、怒ったり
 の日々でした。
  
  でも、そういう行動を起こす子どもの心の奥にまで目を向けると、実はとても寂しかったり、不安でたまらなかったり、満たさ
 れない思いを抱えているのではないか。ハートの絵を描いていた女の子は、時々机の下にもぐったり、教室の隅に隠れたり。大泣
 きをしたりします。あの子が先生の話に耳を傾け、一生懸命ハートに色をぬっている…。心が震えるほどうれしく思いました。 
 
  「僕なんかいなくなればいいんだ」とノートに書いたことのある子は、机から身を乗り出して、先生のお話を聞いて、反応して
 いました。午後の授業はいつになくしっとりと穏やかな子ども達でした。自分から課題をどんどん進め、友達とのトラブルもなく
 みんな笑顔。先生のおかげで、こんなにも子ども達が変わったことに驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。この出会いを大切に。 
 私も教師として、もうひと頑張り成長していこうと思います』


 
 私は、授業の初めに子ども達に語りました。「全ての人は、生きる価値をもって生まれてきた一人ひとりです。どのような生活をしていてもです」と。加えて、子ども達の状況をご担任の先生から伺っておりましたので、いのちの授業の語り手という思いではなく、子ども達の心が光り輝くことを願って、一人の人間として、心から本気で語ったのです。その思いが届いたことに私自身の心が喚起されました。この「いのちの授業」を、私の命の続く限り継続していこうと、心に強く持つこと出来た瞬間でもありました。
 

 次号に続く

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詳細は、活動報告をご覧ください。

(記事掲載については、学校側及び実施機関のご了解を頂いております)

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